酒米の生産は古くから特定の地域で行われ、「酒米を買うなら土地を買え」と言われるほど、気候・風土などの地域の条件が、酒米づくりに大きな影響を与えます。
広島県における酒米産地は、中国山地の南麓に位置する標高200〜400mの中山間地帯で、主要な産地は安芸高田市(標高300m前後)、三次市三和町(350m前後)、庄原市比和町(400m前後)、三次市(200m前後)、東広島市(330m前後)です。各地域とも日照時間が長く、また酒米が熟す時期には、1日の最高と最低の気温の差が大きいなど、良質な酒米づくりに最も適した気候に恵まれています。さらに共通点として、どの地域も雪解け水が豊富な河川の流域にあり、透過性の高い水で水田を潤すことができるのも大きな特徴です。
緑豊かな自然、澄んだ水、たっぷりの陽ざし、夜の涼風…、酒米づくりの条件をすべて備えた産地で、広島の酒米は滋味豊かに育てられています。
酒米には多くの品種があり、米の中心部に心白という白く不透明な部分があって、別名「心白米」と呼ばれる米を酒造好適米と言います。この心白は大粒種に出やすい現象で、吸水させることによって亀裂が起こり、蒸米(米を蒸す)にした時に適度な弾力性を与えてくれます。そのことによって、麹の侵入、いわゆるはぜ込みがよくなり、醸造適性が高くなるのです。
広島県では「八反錦1号」「八反35号」「千本錦」「山田錦」「雄町」「こいおまち」の順に作付が行われています。
現在の広島県の酒米生産量は約2,800トン。そのうち約70%は県内で消費されていますが、残りは北から南まで26都府県に移出されるなど、全国有数の良質な酒米産地としてゆるぎない地位を築いています。まろやかな酒に仕上がる、雑味が少ないといった酒米としての品質の良さはもちろんのこと、安定した量を均一化された品質で供給できる産地としての総合的な力への高い評価が、この人気を支えています。
 

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